Chrono Crossのレビュー
陽光に満ちた南国の島々、玉虫色に彩られた背景、そして優美なキャラクターデザイン──冒険はまるで動く水彩画のようだ。あふれる色合いと背景のやわらかさが、稀なる幻想性を織りなす。丁寧で温かなこの絵画的な美しさは、いまもRPGの視覚の頂であり続ける。
光田康典の紛れもない傑作たる楽曲は、崇高な「Scars of Time」から最も親密な主題まで、ワールドミュージック、地中海やケルトの色合いを、胸を打つ情感へと融け合わせる。どの曲も郷愁と旅の気配を呼吸する。稀有なこの旋律の美は、ビデオゲーム史上屈指の名作に数えられる。
二つの並行世界と無数の運命のあいだで、物語は自己とは何か、偶然とは何か、そして生きられなかった人生について問いかける。豊穣にして、時にめまいを誘うその物悲しい筆致は、忘れがたい音楽と寄り添う。概念の綱渡りにも似たこの稀有な野心は、今なお人を分かち、そして魅了し続ける。