Doom 3のレビュー
暗闇に沈む火星基地、リアルタイムで計算される影、唯一の味方たる懐中電灯──本作は、闇を恐怖の原理とする。テクスチャのリアリズムと悪魔的なデザインが、息詰まるSFホラーをつくる。暗く技術的なこの視覚演出は、当時の描画の限界を押し広げた。
音楽はほぼ全面的に退き、基地そのものの音に場を譲る。蒸気の噴出、駆動装置の唸り、拡声器の雑音、そして端末に残された記録。すでに起きてしまった出来事を語る研究者たちの声である。歪んだ主題が鳴るのは冒頭だけで、差し出された約束はただちに引っ込められる。