Fable IIのレビュー
アルビオンは五世紀の歳月を経て、御伽噺も共に老いた。追い剥ぎの三角帽、煙を吐く工場、挿絵のように傾いた木組みの酒場。ライオンヘッドは誇張された輪郭を貫き、行いに応じて光輪や蠅が体に宿る。看板の一枚一枚に皮肉が描かれた英国絵本だ。
ラッセル・ショウはアルビオンに英国の田園詩を書いた。囲炉裏端の笛、柔らかな弦、地方ごとに異なる村の鐘。ブラッドストーンの港のジグから沼地の霧まで、音楽は英雄と共に老い、土地が廃れれば翳る。数小節で帰郷か冒険かが聴き分けられる。
全ては幼い日の夜に始まる。塔、銃声、失われた姉。ルシアンへの復讐は結婚も仕事も愛犬も含めた人生まるごとで築かれ、終幕で卓は引っ繰り返る。アルビオンの数千の死者か、黄金か、自分の家族か。叙事詩をこれほど私的な問いに絞る脚本は稀だ。