Far Cry 2のレビュー
描画の主たる道具は火だ。乾いた草に燃え移り、風が炎の前線を読み取れる向きへ押し進め、藪は黒く焦げ、草原にはその傷跡が残る。周囲には意図的に国名を伏せた南部アフリカが広がる。黄土のラテライト、アカシア、トラックの残骸、トタンの村。白い光が陰影を潰していく。
メニューの外では音楽がほとんど鳴らず、途切れぬ環境音がその座を占める。蝉、丈高い草を渡る風、車のディーゼル音、そして熱が上がるにつれ乱れる主人公の呼吸。数十時間にわたって貫かれるこの不在ゆえに、銃撃の後に訪れる荒々しい静寂がいっそう際立つ。
目的は武器商人の殺害だが、構造そのものが標的を遠ざける。両陣営は互いに対して主人公を使い、救った仲間はまた救えと言い、マラリアは仕える相手に薬を乞うことを強いる。傭兵は何一つ選んでいないと物語は淡々と証明し、その結末はどの陣営も立たせたまま終わらせない。