Final Fantasy - 20th Anniversary Editionのレビュー
携帯機向けに再編曲された植松伸夫の音楽が、損なわれぬ気高さとともに、ごく最初のファイナルファンタジーを蘇らせる。透き通る「プレリュード」から英雄的なフィールドの主題まで、どの旋律も礎となる古典の趣を呼吸する。サーガの揺り籠たるこの気品は、いまも愛好家にとって郷愁あふれる魅惑だ。
四人の英雄の光を育て、芽吹いたばかりの世界を探索し、レベルと魔法を上げていく――ダンジョンごとに次が欲しくなる原点の冒険が組み上がる。ターン制バトル、装備、秘密が目標と報酬を次々と繋ぐ。原典の構成とランダムエンカウントには古さがにじむが、旅の魅力と丁寧なリメイクが持続的な吸引力を保つ。
礎となった古典の携帯機向けリメイクである本作・記念版は、ボーナスダンジョンと拡充された内容で光の戦士たちの冒険を繰り広げる。世界を探り、パーティを育て、追加要素を探る時間は、長く費やされる。ファミコン版に忠実なこの太っ腹さが、RPG好きが育てる寿命を差し出す。