Final Fantasy VIIのレビュー
PlayStationの音源の制約も、植松伸夫の心を揺さぶる力を止められなかった。ミッドガルの工業的な鼓動から喉を締めつける「エアリスのテーマ」まで、場所ごとに固有の旋律が宿る。合唱とロックが融合した「片翼の天使」はボス戦の概念を塗り替えた。三十年を経てなお、これらの旋律は記憶から口ずさまれる。
環境テロの爆破から宇宙規模の脅威へ。この叙事詩はJRPGの野心を塗り替えた。翳りある過去を持つ傭兵、儚い笑みの少女。その人物像は伝説となり、記憶と喪失をめぐる思索は、今なお損なわれぬ力を放ち続ける。
当時は三枚組、物語は中盤で大陸も色調も変える大河だ。その語りの野心だけで長さは説明がつく。チョコボの育成、隠し召喚獣、ミニゲーム、伝説の裏ボスがさらに冒険を延ばす。内なるドラマから宇宙オペラまで、何でも挑むこのJRPGの密度こそ、プレイヤーの記憶に消えぬ場所を確保する。