Legend of Zelda, The - Oracle of Seasonsのレビュー
アートデザイン
音楽
シナリオ
ひと操作で季節を切り替え、ホロドラムが姿を変えるさまを見届ける──花咲く春、燃える夏、赤らむ秋、凍てつく冬。見事な繊細さで描かれたこの視覚的な仕掛けが、世界に絶え間ない生命を与える。色づいたスプライトへの丹念さが、本機屈指の見せ場へと押し上げる。
移ろうホロドラムの季節の律動に合わせ、音楽は、弾けるような春から静かな冬まで、心躍る独創性とともに姿を変える。英雄的な主題と張りつめた迷宮が、絶え間ない熱量で冒険に寄り添う。携帯機では驚くべきこの旋律の多彩さが、作品に忘れがたい趣を与える。
こちらで攫われるのは季節のオラクル、ディンだ。オニキスは彼女を奪ってホロドラムの気候を狂わせ、大地を枯らそうとする。物語の糸は過去の改変ではなく自然の均衡の崩れに掛かっている。訪れる村はどこかの季節に固定されて苦しみ、進行はそのまま、地方をひとつずつ元へ戻していく作業の形をとる。
杖の一振りで季節を切り替えると、風景がその場で描き変わる。凍った沼は渡れるようになり、葉のない木は実をつける。この仕組みが、双子の片割れよりも行動と戦闘に寄った冒険を支え、流れるような展開と豊富なダンジョンを生む。見事に古びず今も極上で、単体でも『時空の章』の相棒としても味わえる。
季節を切り替えて風景を変え、道を切り開く――思索より行動が前に出る、張りのあるテンポを冒険に与える。道具を探し出し、地域を解放し、次のダンジョンを目指して、目標が間断なく連なる。双子のもう一方より戦闘寄りの本作は、なかなか離れがたい探索の舞台であり続ける。