Metal Gear Solidのレビュー
コナミが選んだのはほぼ真上からの視点で、警備兵も監視機器も視界の扇形も、そのまま作戦図として読める。極小のスプライトでありながら向きだけは確実に判別できる。会話の場面では乾いた線で描かれた寄りの肖像に切り替わり、鮮やかな色を一切使わずに諜報漫画の重みを立ち上げる。
潜入中の楽譜は旋律を手放し、低い持続音と一定の鼓動、わずかな伸ばした音だけで進む。相対的な静けさが平常の状態になる。発見された瞬間、速く反復する型へ音が切り替わり、この断絶が視界表示より早く危険を知らせる。
メタルギア強奪を阻むため、架空の国家ガルダラへ潜入する──携帯機の一編という見かけの裏で、このスパイ・スリラーは、稀なる切れ味の無線会話に支えられた濃密な筋立てを広げてみせる。戦争、犠牲となる兵士たち、そして核抑止が、大人びた物語を織り上げ、シリーズ屈指の傑作と讃えられている。
遮蔽物に身を隠し、視界の円錐をかわし、警報が鳴れば即興で切り抜ける――携帯機に凝縮された潜入は緊張感をそのまま保つ。短いミッションへの分割と練られたレベルデザインが、反射神経と同じくらい忍耐に報いる。本機としては驚異的な技術で、知名度の低い本作は今も屈指の戦術的な掘り出し物だ。