Metal Gear Solid - Portable Opsのレビュー
新川洋司の墨の線は携帯機の画面でも崩れない。角張った輪郭、皺の寄った戦闘服、筆で削いだような顔立ちが、捕らえた兵士たちを動く素描に変える。パナマ基地の通路は褪せた緑と青白いネオンで、歩哨を逆光に浮かび上がらせる。
音楽はスネークイーターのラテン色を引き継ぐ。乾いたギター、控えめなコンガ、弱音の弦がパナマの湿気を描き、巡回が近づくと短い鼓動へ引き締まる。シリーズの主題は断片としてだけ戻り、決して全曲では鳴らない。
小島秀夫は、追放された兵士が今しがた昏倒させた相手を説き伏せて軍を作る過程を語る。敵の勧誘は仕組みであると同時に物語の論拠となる。旧部隊の裏切りとフォックスハウンド創設のあいだで、パナマが二つの物語をつなぐ蝶番になる。