Romancing SaGa 3のレビュー
伊藤賢治がここで繰り広げるのは、英雄的なファンファーレから血沸き肉躍る戦闘曲まで、あらゆる遭遇を熱く煽る華麗な筆致だ。その音色は自由な旅路と幾通りもの運命の豊かさを映し、いくつかのボス曲はジャンルの頂点として深く刻まれている。
運命が絡み合う八人の主人公が、誰もが王座を狙えるほど自由な世界を旅する。一本道の筋ではなく、プレイヤーが好きな順に解き明かしていく物語群として綴られ、遊ぶたびに異なる色合いを帯びる。当時としては大胆だったこの語りの自由度は今も色褪せず、作家性の強いRPGを愛する者たちを惹きつけ続けている。
選べる八人の主人公それぞれに始まりと結末があり、同じ広大な世界での道筋を何重にも増やす。戦闘中に技を閃くシステム、交易、王国経営、多数の任意ダンジョンが周回ごとに異なる体験を生む。サガらしいこの自由な構造が、全ての道を掘り起こすため再び遊ばせる。