Shadowrunのレビュー
物語は死体安置所から始まり、その光の質は最後までほとんど変わらない。見下ろしのシアトルはくすんだ色に沈み、雨の路地、ネオンの看板、清潔すぎる企業の執務室が並ぶ。オークもトロールもエルフも民話めいた飾りを与えられず、魔法がただ貧しさに上乗せされた街の、ありふれた住人として描かれる。
音楽は歩幅を数えるように進む。遅い低音、乾いた打楽器、広い沈黙を残す合成音の層、そして最も危険な区画にだけ置かれた執拗な動機。空白を埋めようとしないこの態度が探偵劇に直接効いてくる。戦っている時間より、見知らぬ誰かの話を聞いている時間のほうがずっと長い作品だからだ。
記憶もないまま死体安置所で目覚めた男が、魔法とチップと巨大企業とが隣り合うサイバーパンクの大都市を歩く。カルトなテーブルトークRPGの世界を翻案したこの物語は、ノワールな捜査、陰謀、そして秘術を、唯一無二の空気で綯い交ぜにする。その雰囲気と大人びた筋立てが、ジャンルの愛好家の心に刻まれた。