Shin Megami Tensei V: Vengeanceのレビュー
香村僚太が手がけた音楽は、廃墟と化した東京を冷たい電子音とエッジの効いたロックのリフで包み込む。荒涼とした世界は氷のようなシンセの質感で息づき、悪魔との戦いは荒々しいパーカッションで炸裂する。肌に染み込み、戦いを終えた後も長く耳に残る響きだ。
崩壊した東京と悪魔が跋扈する荒野のはざまで、秩序と混沌、そして自由意志をめぐる重い選択を突きつけてくる。安易な答えを与えず、自らの世界観に責任を負わせる対話。濃密な神話を背景にした成熟した筆致が、長く心に残る。
荒廃した東京には仲魔として集め、合体させ、磨き上げる悪魔が溢れ、属性ごとに異なる結末が待つ。『ヴェンジェンス』は冒険をほぼ倍にする全く新しい第二のシナリオを丸ごと追加し、さらにサブクエストや手強い裏ボス、マッパー集めも尽きない。やり込むほど深まる本作は、終わりの見えないRPGとして語り継がれている。