Wonder Boy: The Dragon's Trapのレビュー
マスターシステムの名作が、完全な手描きで蘇る。絹のような水彩、滑らかなアニメ、旧8ビットの見た目と新しい絵を瞬時に切り替える機能。愛のこもったこのリマスターが、丁寧な筆致は三十年前のスプライトを超えられると証明する。
マスターシステムの名作を作り直した本作は、坂本慎一の旋律をマイケル・ジェールによる豪奢なオーケストラ編曲で蘇らせる。現代的なアレンジと原曲のピコピコ音をその場で切り替えられるのは、心憎いレトロな目配せだ。変身や探索の旋律はジャジーでフォーキーな温もりを取り戻し、揺れ動く水彩の画面に見事に寄り添う。
このリメイクの核には、能力の異なる動物変身と、飽くなき探索を誘う相互接続のマップが脈打つ。マスターシステムのメトロイドヴァニアは見事に持ちこたえ、即座に切り替わる手描きの絵が現代的な見やすさを際立たせる。8ビット由来の操作の硬さは残るが、その魅力は今も十全に響く。
ネズミや竜、トカゲに変身して、それまで通れなかった道を抜けると、探索が絶え間ない発見の味わいに満ちる。姿が変わるたびにマップが新たな角度で開け、古い片隅を再び探りたくなる。手描きで一新された映像がこの色褪せぬ魅力を引き立て、原作グラフィックへ切り替えられる機能が郷愁をくすぐる。