Adventures of Batman & Robin, Theのレビュー
90年代のアニメシリーズへの完全な忠実さ──角ばったシルエット、暗いアールデコの色調、劇的な光が、息をのむアニメ調のゴッサムをつくる。描線への丹念さとノワールな空気が、趣にあふれている。洒脱で雰囲気に満ちたこのアートディレクションが、原作の精神を見事に甦らせる。
コナミは音源から、この機種としては珍しく暗い質感を引き出している。くぐもった金管、低い弦、金属的な打楽器、そしてわざと隙間を残す持続音。犯罪者にはそれぞれ動機が与えられ、ジョーカーの外れたワルツからミスター・フリーズにまとわりつく冷えた息づかいまで、アニメの空気を説明的にならずに保ち続ける。
本作が語るのは長い一本の物語ではなく、原作アニメと同じく事件の連なりだ。犯罪者がひとり、ゴッサムの一区画、そして一夜。ジョーカー、ポイズン・アイビー、トゥーフェイスらはそれぞれ固有の演出を伴って現れ、脚色は版権物にありがちな毒抜きではなく、原作の大人びた調子をそのまま引き受けている。