Baten Kaitos - Eternal Wings and the Lost Oceanのレビュー
水彩画のように描かれた浮遊島の風景が、淡いパステルの色調でどこまでも続く空を広げる。キャラクターの翼やカードを用いたインターフェースまでもがその幻想性を細部に宿し、冒険と驚きをともに支える。今なお魔法のような魅力を失わない、唯一無二の絵づくりだ。
桜庭統の筆によるオーケストラの高鳴りと、宙を舞うような合唱が、天空の島々をめぐる冒険を支える。雄大な旋律と緊迫したリズムが、驚きとカードバトルの熱狂を交互に際立たせる。この豪奢な楽曲は、本機のRPGでも屈指の愛され続ける一作だ。
消え去った大洋の上に浮かぶ島々の世界で、カラスは復讐を求め、守護霊、すなわちプレイヤーその人を連れて旅する。物語は転回と、主人公の本性そのものをめぐる暴露に満ち、JRPG愛好家のあいだで伝説となった仕掛けを秘める。ゲームキューブの物語の宝玉たる、野心的で記憶に残る筆致だ。
浮遊する島々を巡り、マグナスのデッキを組み上げる作業は、たっぷりとしたメインクエストとほぼ際限のないカード収集とともに、非常に長い時間を満たす。空を舞うアートワークは隅々まで探りたくなる魅力を放ち、独自の戦闘システムは忍耐強い試行錯誤に報いる。この懐の深さと雄大な物語が、本作を長く愛されるカルトJRPGたらしめている。