Beyond Good & Evilのレビュー
ヒリスという星ほど温かみのある世界はそう多くない。混ざり合う文化、鮮やかな色彩、表情豊かな顔ぶれが息づく。ジェイドのカメラのレンズはひとつの美学そのものとなり、この世界を歩くだけでなく見つめることを誘う。端役に至るまで一貫したこの不朽の作風が、カルト的評価を物語る。
クリストフ・エラルの手から、ワールドミュージックの響き、レゲエの色合い、心を打つ高鳴りが響き合う、混血の音世界が生まれる。偽のプロパガンダのジングルも、最も親密な主題も、最後の場面のずっと後まで胸に刻まれる。この繊細で独創的な音楽が、作品のカルト的評価を存分に支えている。
国家ぐるみの陰謀に巻き込まれた勇敢な記者ジェイドは、権力がプロパガンダで覆い隠す真実を追う。冒険の底には、操作と抵抗をめぐる、驚くほど政治的な主題が流れている。愛すべき主人公と心に残る結末に支えられたこの人間味あふれる物語は、今もその切実さを失わない。
写真による調査、静かな潜入、棒術での戦闘、ホバークラフトのレースを次々と切り替える本作は、決して散漫にならない見事な多彩さを備えた冒険だ。どのメカニクスも明快なままで、探索とアクションの配分には稀なほど丁寧な配慮がある。一部のシステムには古さも感じるが、全体の均衡とJadeの勢いが、今なお手に取って瑞々しい魅力を保っている。