Bit.Trip Completeのレビュー
六つの挿話、六つの視覚方言。すべては同じ最小限の文法から引き出される。ガイジンゲームズは主人公を黒い影に、背景を拍に合わせて脈打つ帯と市松と光暈に切り詰め、そのうえで章ごとに独自の狂気へ流れさせる。純粋な図記号から、あふれる濃色の背景まで。抽象が読めるのは、それが拍に乗っているからだ。
すべては、行動の律動とともに組み上がっていく大らかなチップチューンに支えられている──跳ねるたび、飛ぶたびに、旋律へ一つ層が重なる。8ビットのエレクトロはゲームプレイと融合し、遊ぶことがそのまま生演奏の作曲となる。利いていて陶然とするこのレトロなリズムの酩酊が、作品集の醍醐味そのものだ。