Broken Sword - Shadow of the Templars - The Director's Cutのレビュー
レボリューションソフトウェアは手描きの背景をそのまま残す。パリの喫茶店、シリアの中庭、スコットランドの礼拝堂。その遠近と光は古典的な動画映画のものだ。この版の新味は、漫画家デイブ・ギボンズに託された寄りの人物画にある。精密な線がようやく、遠景では欠けていた表情を顔に与えている。
バリントン・フェラングの楽曲は捜査とともに旅をする。憂いを帯びた弦の主題はどこにでも戻ってくるが、パリではアコーディオンを、近東では打楽器と笛を、スコットランドではバグパイプと低い和音をまとう。同じ旋律を土地ごとに仕立て直すこのやり方が、背景だけでは保てない連続性を物語に与えている。
パリでの爆破事件を目撃したアメリカ人旅行者とフランス人記者が、テンプル騎士団にまつわる千年の陰謀の手がかりを追う。稀なる気品のポイント&クリックとして、物語は捜査、ユーモア、そして博識を、ヨーロッパらしい魅力で結び合わせる。アドベンチャーゲームの古典として、その機知に富んだ筆致は少しも色褪せていない。