Dragon Age - Inquisitionのレビュー
広大なダークファンタジーの風景、豪奢な自然光、緻密な建築──シダスは、見事な広がりと一貫性をもつ世界を広げてみせる。環境の豊かさと種族の丁寧なデザインが、稀なる説得力を与える。広大で霊感に満ちたこの視覚的野心が、西洋RPGを見事に支える。
トレヴァー・モリスは英雄ではなく組織のために書く。光の詩篇の厳かな金管、スカイホールドが賑わうにつれ立ち上がる合唱、沼と砂漠を分ける地方ごとの主題。白眉は酒場の歌だ。焚き火の傍で仲間たちが無伴奏で歌い継ぐその一曲だけが、教団を疲れた人間の群れに戻す。
独創は玉座にある。主人公は冒険者ではなく組織の長であり、椅子から囚人を裁き、大使を任じ、どちらかを切り捨てると知りながら魔道士とテンプル騎士の間を裁定する。神を自称する古の魔道士コリフェウスは中心の問いへの対位法だ。奇跡の裏の人間を知った信仰はどうなるのか。
広大な土地を踏破し、作戦テーブルからインクイジションを運営し、相性のはっきりした仲間でパーティを組む——その先には、エリアごと・クエストごとに新たな目標が立ち上がる冒険が広がる。選択と仲間を自分の手で形づくる営みが投資に報いてくれる。やや空疎なエリアや水増しのお使いクエストは重荷だが、世界の壮大さが数十時間にわたって引き込んでくる。
シーリングすべき亀裂、解放する拠点、コーデックスの伝承、仲間との絆。各地方を隅々まで歩くだけで膨大な時間が溶ける。政治劇のメインに作戦テーブルや隠し要素が重なり、結末まで響く選択も含めて西洋RPGの基準であり続けている。