Dragon Quest XI S: Echoes of an Elusive Ageのレビュー
この決定版は、現代と郷愁の対話を、さらに押し進める。現代の3Dと画素めいた目配せを交互に置くだけでは飽き足らず、冒険の全体を懐古の十六ビットの様式で辿れるようにし、昔のドラゴンクエストの象徴的な場所を2Dで再演する、思い出の世界を加える。鳥山の温かな線が、現在と過去の、二重の敬意に浸る。
この版は、遊び手にまれな選択を差し出す。すぎやまこういちの楽譜を、シンセサイザーで作られたままに聞くか、本物の交響楽団によって録り直された版で聞くか。同じ気高く温かな主題が、そのとき新たな広がりと肉づきを得て、加えられた懐古の世界は、それぞれの調べを受け取る。各人が伝統を自分の耳に合わせられる、音の器だ。
温かな色彩の下で、この旅路はJRPG黄金期の魂を呼び覚ます。選ばれし者、呪われた血脈、そして本当に愛おしくなる仲間たち。笑いと悲劇が隣り合い、物語は今の作品が滅多に挑まぬ壮大な結末へと踏み込んでいく。
本編だけでも十分にたっぷりだが、天秤を傾けるのはクリア後の内容だ。物語が幕を閉じたと思った先に、もう半分丸ごとのゲームが広がる。サブクエスト、鍛冶、カジノ、任意のボス戦が、生まれ変わる世界に加わる。最も懐の深いJRPGに忠実な、この昔ながらの大盤振る舞いが末永い愛着を生む。