Eiyuu Densetsu - Sen no Kisekiのレビュー
アートデザイン
音楽
シナリオ
この日本版は、シリーズの3Dモデリングへの大きな転換を刻む。スプライトの上に築かれた作を経て、人物はついに立体を得て、顔は細やかに、歩みは動きを帯び、場所は奥行きへと広がる。美術はこの技術の跳躍を真の主題とし、長く二次元に固まっていたサーガに、これまでにない身体の存在感と被写界深度を授ける。
ファルコム・サウンドチームjdkの手による音楽が、燃え立つロックの戦闘曲から心打つ街の旋律まで、途方もなく大らかなレパートリーを繰り広げる。どの地方も記憶に残る音の色を帯び、稀有な一貫性で大河の物語を支える。ファンに讃えられるこの旋律の豊かさは、いまもJ-RPGの頂であり続ける。
崩壊寸前の帝国の士官学院に学ぶ青年が、やがて戦によって試される絆を結んでいく。稀なる密度を誇る大河物語として、階級の軋轢と帝国の政治を、目を見張る丹念さで描き出す。登場人物の一人ひとりに目を配るこの忍耐強い筆致は、注いだ時間に見事に報いてくれる。
級友と絆を結び、学園生活とターン制の戦術戦闘を交互にこなす行為が、続きを常に知りたくさせる濃密な政治劇を進める。力をつけ、関係を育むことが各日に報いる。落ち着いたテンポと冗長さは忍耐を要するが、世界の豊かさが、緩むことなく少しずつ心を掴む。
トールズ士官学院の日常が、授業や実地任務、章間に育む絆を織り込み、密度の高い政治劇を紡ぐ。帝国の隅々を歩き、依頼をこなし、仲間を深掘りする営みが、もとより濃い物語をさらに豊かにする。ファルコム流の丹念な構築が、語りを重んじるJRPG好きの長い愛着を生む。