Eiyuu Densetsu - Zero no Kisekiのレビュー
アートデザイン
音楽
シナリオ
クロスベルは、急ぎすぎて育った都市国家として差し出される。旧市街の石の壁面がすぐ隣の硝子の塔と貼り合わされ、敷石の歩道の上に光る看板が並び、路面電車がそれらを縫い合わせる。視点は風景ではなく街路を捉え、シリーズには珍しい都市の尺度を与える。
ファルコム・サウンドチームjdkの手による音楽が、燃え立つロックの戦闘曲から心打つ街の旋律まで、途方もなく大らかなレパートリーを繰り広げる。どの地方も記憶に残る音の色を帯び、稀有な一貫性で大河の物語を支える。ファンに讃えられるこの旋律の豊かさは、いまもJ-RPGの頂であり続ける。
二つの大国に挟まれて揺れる都市国家で、特務の警察部隊が、犯罪、腐敗、そして水面下の陰謀に立ち向かう。筆致の濃密さで名高いこのサーガは、街そのものと住人たちを、時間をかけて生き生きと描き出す。この腰の据わった、豊かで政治的な捜査劇は、作り込まれた物語を愛する者を喜ばせる。
クロスベルの特務警察を率い、事件と陰謀を解決しながら仲間を成長させていく――なかなか手放せない長丁場の捜査が組み上がる。ターン制バトル、オーブメント、サブクエストが目標と報酬を次々と繋ぐ。テンポはじっくりと進むが、政治的な陰謀と仲間への愛着が持続的な吸引力を保つ。
クロスベルの特務支援課に加わることは、依頼、絆、ターン制の戦闘に富んだ捜査もののJRPGへとサーガを開く。長い本筋と任意の内容が、数十時間を養う。ファルコムによるクロスベルのこの第一作が、RPG好きが育てる寿命を差し出す。