Falcom Classicsのレビュー
第一集は収録作と同じだけ、その入れ物にも手を掛けている。修復された当時の挿絵、原箱の版面を踏襲した選択画面、取り込まれた資料の展示室。作品自体は個人向け計算機の画面をそのまま残し、限られた色数と四角い区画を、博物館めいた見せ方が隠すどころか際立たせている。
この一本の切り札は、社内楽団による再録音にある。合成音で書かれた原曲がギターと鍵盤と太鼓で演奏し直され、旋律を損なわないままロックの編曲へ姿を変える。当時の音と生演奏の解釈を切り替えられる仕組みは、聴く楽しみと同じだけ音の資料としての価値を持つ。
これらの草創期の作品を並べることは、一つの分野の誕生を読ませることでもある。卓上の役割演技に近い規則で潜る地下迷宮、数行の文章で語られる危機に瀕した王国、遊び手が埋めるべき過去を持たない主人公。この収録集は、その素っ気なさを近代化せず、資料として引き受けている。
三本のファルコムの古典を一枚のディスクに収めることは、広大なダンジョン、町、ターン制の戦闘にまたがる遊びをいきなり倍にする。それぞれの冒険を最後まで導き、英雄を育て上げるには、多くの時間がいる。礎となるRPGに富んだこの太っ腹な詰め合わせが、往年の和製RPG好きが好む寿命を差し出す。