Fatal Frame II - Crimson Butterflyのレビュー
薄闇に沈む亡霊の村、影の戯れ、そして日本の民俗が、稀なほど濃い恐怖を醸し出す。唯一の武器である写真が、構図そのものを恐怖の道具へと変える。こもったように息詰まるこの視覚演出は、いまも本機における雰囲気ホラーの頂であり続ける。
テクモは村をほとんど無音のまま置く。軋む床板、震える障子の紙、速まっていく双子の呼吸。気配は主題ではなく、変質によって知らされる。加えられた吐息、そこになかったはずの持続音。耳のほうが、写真機の対物レンズより先に探知器の役を務める。
幽霊の村に迷い込んだ二人の姉妹は、意に反して、言葉にならぬほど残酷な生贄の儀式を再びなぞることになる。民間伝承、喪失、そして姉妹の絆が、恐ろしくも、同時に情感に満ちた恐怖を織りなす。心を締めつけ、血を凍らせもする稀有な怪談として、日本のサバイバルホラー屈指の頂であり続ける。