Fatal Fury - Mark of the Wolvesのレビュー
目を見張る繊細さのアニメーション、手描きのスプライト、生命にあふれた背景──これこそ、SNKが極めた格闘ドット絵の頂点だ。指先まで表情豊かなどのキャラクターも、スタイルと佇まいを漂わせる。このグラフィックの熟達は、いまも凌駕されぬ2Dの規範であり続ける。
『餓狼伝説』最後の作となる本作は、すべてを読み合いに賭ける。「ジャストディフェンス」とT.O.Pシステムが、一手ごとの攻防をミリ単位の回避が報われる緊張の押し引きへと変えるのだ。豪奢なアニメーションと一新されたロスターは、その品格を少しも失っていない。精緻さの手本というべき2D対戦で、今なお玄人がジャンルの頂点に置く一作だ。
シリーズの燃えるような白鳥の歌であるこの2D対戦は、切れ味と、大胆さに報いるシビアなタイミングのジャストディフェンドで魅了する。見事に描き込まれたキャラが、痺れるほど滑らかな応酬を見せる。操作はとっつきやすく、それでいて極める喜びは長く続く。激しく優美な、SNK格闘の頂点だ。
T.O.P.ゲージが好機に発動する感触と、ジャストディフェンスの成功が、一合一合を再戦したくなる張り詰めた決闘に変える。洗練されたキャラの連係を覚えることが、ラウンドごとに鍛錬へ報いる。続編はなく初心者にはやや手厳しいが、シリーズ最後の意地ともいえる本作は、飽きずに何度も起動したくなる対戦の頂だ。