Final Fantasy Crystal Chroniclesのレビュー
『クリスタルクロニクル』は、板鼻利幸による水彩と絵本の美学でその世界を包む。パステルの村々、光あふれる森、そして脅かす瘴気、柔らかく丸みを帯びた意匠のキャラクターがそれを支える。アートは、ファイナルファンタジーでは稀な、温かく夢幻的な幻想を育む。ゲームキューブ屈指に美しい、詩的な視覚の器だ。
谷岡久美の筆により、ハープ、フルート、透き通る歌声が、心とろかすようなやさしさをたたえた中世の民謡を紡ぐ。アコースティックな旋律が、ほとんどケルトめいた温もりで探索を包み込む。よくある華々しさとは一線を画すこの有機的で親密な楽曲は、シリーズ屈指の愛され続ける一作だ。