Final Fantasy II - 20th Anniversary Editionのレビュー
視覚の要は帝国の図像にある。黒と金の軍旗、面頬を下ろした兜、棘を生やした飛空艇、角張った要塞。国家という機械が、粗い布をまとった反乱者たちと対置される。この機に描き直された名前付きの立ち絵は、原典が匿名のままにした主人公たちにようやく個を与える。
なお植松伸夫の手による音楽が、勇壮な「反乱軍のテーマ」から物憂げな旋律まで、より劇的な主題を繰り広げる。どの曲も、高まりゆく情感とともに、反乱と運命の重みを際立たせる。物語性のあるJ-RPGの先駆たるこの音の豊かさは、その喚起力を少しも失っていない。
会話はそのまま所持品の一覧になる。登場人物は合言葉を覚え、しかるべき相手の前でそれを差し出さねばならない。物語を理解することが語彙を集める行為に等しくなるのだ。この仕組みが、名だけが長く先行するレオンの裏切りに異例の重みを与える。
行動に応じて英雄たちを成長させ、広がる世界を探索し、反乱の物語を解きほぐしていく――戦うたびに能力が伸びる独特の冒険が織り上がる。ダンジョン、キーワード、秘密が目標と報酬を次々と繋ぐ。風変わりな成長システムは稼ぎを誘うが、丁寧なリメイクと先駆的な物語が粘り強い吸引力を保つ。
帝国への反乱を追うことは、レベルではなく能力の使用に基づく成長で唯一無二のJRPGを繰り広げる。世界を探り、キャラを最適化し、ボーナス内容を探る時間は、長く費やされる。記念版で甦ったこの独自性が、RPG好きが味わう寿命を差し出す。