Firemen, Theのレビュー
まばゆい炎と荒廃した都市の背景の見下ろし型アクション──本作は、本機としては稀な濃度の劇的な演出を広げてみせる。炎の演出の瑞々しさとアクションの見やすさが、個性にあふれている。丁寧で切れ味あるこの視覚演出は、16ビットアクションの知られざる逸品と称される。
ヒューマンが用意したのは秒読みの音楽だ。しつこく鳴る低音、時計のように正確な打楽器、炎が広がるほど高まる金管。階と階のあいだには落ち着いた息継ぎが挟まれ、火のはぜる音が顔を出す。緊急時の主題は必ず半音上がって戻ってくる。それだけで、遊ぶ側の歩みは自然と速くなる。
物語が収まるのはクリスマスの一夜と、メトロテックという化学工場ひとつだけだ。二人の消防士が階を上がっていくあいだ、無線がそこで本当は何が作られていたのかを少しずつ告げる。語りはほとんどこの途切れがちなやり取りだけで成り立ち、緊張は炎そのものより、会社が伏せてきた事実の側から来る。