Flashback - The Quest for Identityのレビュー
ベクターのシルエット、ロトスコープのアニメーション、映画的な構図が、蠱惑的なまでに切り詰められたSFの物語を織りなす。表現の切り詰めは内容を痩せさせるどころか、敵意ある異星世界の奇妙さを際立たせる。1991年にして先駆的なこの簡潔な美意識は、喚起する力を損なわずに保つ。
当時のアクションゲームでは稀に、音楽は空気と演出を重んじ、映画的な緊張を際立たせるべく要所でのみ介入する。簡潔で不穏な主題が、このサイエンス・フィクションのスリラーへの没入を強める。この大胆な音の選択が、作品のカルト的な威光に大きく寄与している。
記憶を失い、追われる身となった男が、異星人が人類に紛れ込むという真実を、少しずつ組み立て直していく。ほとんど映画的な演出のSF物語として、謎、逃走、そして数々の真相を、稀なる優雅さで醸し出す。その空気感と張りつめた筋立てが、アドベンチャーゲームに刻印を残した。