Fragile - Sayonara Tsuki no Haikyoのレビュー
人類が去った世界で、自然に呑まれた廃墟と青白い月明かりが、胸を打つ物悲しい美しさを織りなす。打ち捨てられた情景の一つひとつに孤独がにじみ、やさしくも悲しい光に浸される。瞑想的で切ないこの映像の空気は、長く記憶につきまとう。
物憂げで繊細な斉藤理絵の音楽が、胸を締めつける孤独の、柔らかなピアノとアンビエントの音層で、月の廃墟を包む。どの曲も、見捨てられた世界の郷愁と静寂を呼吸する。稀有な情感をたたえた、この親密で荒涼とした音の美しさが、この黄昏の冒険の魂であり続ける。
人の絶えた世界に最後に残された少年が、別の誰かの気配を求めて、月明かりに照らされた文明の廃墟を彷徨う。孤独と記憶をめぐる詩的な瞑想として、物語は見つけた品の一つひとつを、失われた人間性のかけらへと変える。やさしく胸を打つこの物悲しい挽歌は、他のどの作品にも似ていない。