Grand Theft Auto - Episodes from Liberty Cityのレビュー
濃密で幻滅をまとったリアリズムで再現されたリバティーシティ、灰色の光、賑わう建築──大都市は、生々しく生きたアメリカを呼吸する。世界の一貫性と通りの密度が、説得力ある都市の劇場をつくる。暗く広大なこの視覚演出が、オープンワールドを新たな成熟へと導いた。
二人の主人公に二つの周波数帯。ジョニーはバイカークラブの脂じみたギターとニューヨークのハードコアで走り、トニーはナイトクラブの絶え間ない低音、ハウスとディスコの中で生きる。エピソードの切り替えは同じ都市を別の耳で聴くことであり、リバティシティはラジオでこそ実在する。
二つのエピソードはGTAIVの楽譜を横断しながら弾き直す。筋から筋へ渡り歩くダイヤの鞄、ジョニーの単車やトニーのリムジンから見直される既視の場面、前景へ昇格する脇役たち。同じ都市で三つの物語が交差する プリズム的な語りは、この規模では前例がなかった。