Kabuki - Quantum Fighterのレビュー
着想そのものが前例のない図像を要求する。白塗りの歌舞伎役者、武器として振るわれる途方もない長さの髪、そして回路と情報の塊でできた計算機網へ投げ込まれる身。芝居がかった主人公の様式性と、冷たい幾何学的な背景との落差が、この作品に一目で伝わる顔立ちを与えている。
伴奏は和の打楽器と冷たい電子的な連なりを交差させる。絵が芝居と計算機を交差させたのと、まったく同じ手つきだ。主題は短く打ち込まれ、重い低音が拍を担う。回路の只中で時折差し込まれる笛の装飾音が、芝居の語法を思い出させる。