Kamai-tachi no Yoruのレビュー
画面が写真の上の影絵にまで切り詰められた音の小説では、音楽がほとんどすべてを担う。長い読みの時間に伸ばされる持続音、細部がひっくり返る瞬間の単音、そして真相が示される場面での完全な無音。語りが切れるたび戻ってくる吹雪の動機は、やがて仕掛けそのものとして不安を生み出すようになる。
雪に閉ざされた人里離れたペンションで、殺人が次々と起こるなか、一組の男女は夜が悪夢へと変わっていくのを目にする。分岐するサウンドノベルとして、物語は密室と疑念を、恐るべき切れ味で弄ぶ。日本における同ジャンルの先駆けとして、その入れ子状の筋立ては最後の真相まで一瞬も気を抜かせない。