Last Bronxのレビュー
AM3は立ち合いの場を、人気の絶えた夜の東京に据えた。空の駐車場、倉庫、電飾の下の連絡橋。登場人物は闘技用の衣装ではなく街着のままだ。棍からヨーヨーまで、得物は動きの中でも形が読める程度に細かく作られ、全体はこの分野の華やかな舞台とはかけ離れた冷たい配色をまとう。
音楽はこの都会的な意匠に、速い電子的な律動と深い低音、当時の踊り場の音楽に近い太鼓の刻みで応じている。闘士ごとに別々の曲が用意され、九〇年代末を色濃く映した音の作りが、背景と同じだけこの作品を自らの時代へ結びつけている。