Legend of Zelda, The - Link's Awakeningのレビュー
わずかな灰色の階調だけで、コホリント島は生命にあふれている──賑わう村、陽光そそぐ浜辺、それぞれ趣の異なるダンジョン。スプライトへの丹念さと住人たちの豊かな表情が、ハードの限界を超えてみせる。夢のような魅力に満ちたこの絵の密度は、いまもモノクロ携帯機の頂のひとつであり続ける。
コホリント島の夢の核心で、「かぜのさかなのバラード」が、冒険の端から端まで繰り返される、胸を打つ美しさの旋律の糸を織りなす。近藤浩治とそのチームの主題は、稀有な情感とともにゲームボーイの限界を超える。この音の魔法は、島を旅した者にとって忘れがたいものであり続ける。
書法はこのシリーズが一度も取らなかった調子を引き受ける。別の作品から来た者たちが説明もなく島を横切り、梟は謎かけで進み具合を語り、住人たちは噛み合わない言葉を口にする。最後の種明かしのはるか前から、穏やかな居心地の悪さがそこに漂う。八つの楽器を探す旅は、それ自体で完結する場面の連なりをつなぐ糸として働く。
コホリント島を探索することは、携帯機としては稀なほど緻密に絡み合うダンジョンと謎を解きほぐすことだ。手に入れる道具が新たな通路を開き、世界の配置は一歩ごとに好奇心へ報いる。操作は澄み切り、テンポは申し分ない。これほど見事に古びない2D冒険は少なく、本作は今も一気に味わえる。
コホリント島を歩き、ダンジョンを攻略し、次の地を開く道具を手に入れる――その冒険の循環は驚くほど滑らかだ。集めるべき貝殻、点在する秘密、噛み合う謎が、常にもう少し先へ進む理由をくれる。密度が高く心に染みるこの携帯の旅は、今も数少ない引力を保っている。