Lunar - Harmony of Silver Starのレビュー
日本版が頼るのは、一枚ずつ動かされる立ち絵である。顔は瞬きし、台詞の途中で表情を替え、首を傾げる。静止した挿絵では出せなかった生気が、長い会話に宿るのだ。録り直された声の芝居は、まさにこの微細な表情の変化に寄りかかっている。
岩垂徳行の筆により、音楽が、忘れがたい「Wind's Nocturne」を含め、心とろかす温もりをたたえたオーケストラ、歌、旋律を結び合わせる。どの主題も、偽りなく光に満ちた情感とともに冒険を支える。時を超えて心打つこの音の豊かさは、いまも古典的J-RPGで屈指に愛される。
もっとも面白い人物は主人公ではなく、その師である。ギワロンは付き添い、助言し、守り、物語はその信頼を辛抱強く育ててから裏返す。彼の転落は裏切りというより、理想を最後まで押し通した論理的な帰結として読め、最終決戦をいっそう痛ましくする。