Lunar - Silver Star Harmonyのレビュー
二〇一〇年の作り直しが最も手を入れたのは戦闘の紙面である。隊列は描かれた闘技場の奥行きへ展開し、視点は攻撃の間合いに応じて寄り、大きくなった姿は所作の一つ一つを読ませる。戦いの外では、重ねられた面が地平を掘り下げていく。
岩垂徳行の筆により、音楽が、忘れがたい「Wind's Nocturne」を含め、心とろかす温もりをたたえたオーケストラ、歌、旋律を結び合わせる。どの主題も、偽りなく光に満ちた情感とともに冒険を支える。時を超えて心打つこの音の豊かさは、いまも古典的J-RPGで屈指に愛される。
アレックスは姿を消した英雄の影で育ち、純粋な憧れだけでドラゴンマスターを志す。その称号の代価を測ることはない。物語は村の暮らしにたっぷり時間をかけたのち、ルナの正体とダインの過去でその素朴さを裏返し、成長譚を重い相続へ変えてしまう。