Makai Senki Disgaea Portable - Tsuushin Taisen Hajimemashita.のレビュー
対戦に軸足を置いたこの版が力を入れるのは、合間の画面である。縮小図を並べた編成選択、向かい合わせに揃えられた能力表、数字の列で組まれた結果表。彩色の帯と矢印を用いた体裁は競技の得点掲示板から借りたもので、戦場の奇想と鮮やかに対照をなす。
対戦という形式は、きわめて短い反復を要求する。八小節の動機、回り続ける低音、鉦の一打があれば足りる。勝負は数分で片づくからだ。一方で勝敗の合図だけは極端に作り込まれる。二人が同時に耳にする唯一の曲だからである。
玉座を取り戻すために目覚めた魔王の御曹司ラハールが、はちゃめちゃで、それでいて愛おしい魔界を巡っていく。ばかばかしい笑いと小気味よい台詞の裏には、愛、正義、そして贖罪をめぐる確かな主題が潜む。笑わせ、そして泣かせるこの巧みな筆致が、カルトなサーガの個性を築いた。
ユニットを常識の枠を超えて鍛え上げ、アイテム界に潜り、数百万単位のダメージを狙う――ほぼ底のない成長ループが組み上がる。全体魔法、レベリング、複雑に絡み合うシステムが短い目標と報酬を次々と繋いでいく。やり込みは意図的で時間を貪るが、この戦略的なインフレぶりと風変わりなユーモアが恐ろしく粘り強い吸引力を保つ。
通信対戦を軸に作り直された本作『ディスガイア ポータブル』は、もとより底のないシミュレーションRPGの形式に、対人戦を加える。ユニットを極限のレベルまで押し上げ、アイテム界を探り、他の指揮官に挑む営みは、数百時間を満たす。『ディスガイア』ならではのこの太っ腹さが、シミュレーションRPGの虜が大切にする長寿命を支えている。