Maximum Carnageのレビュー
手本になっているのは原作漫画の紙面そのものだ。導入のコマはほぼそのまま用いられ、蜘蛛の英雄は糸のように細い輪郭で、赤い共生体は繊維と歯の並ぶ口で描かれる。ニューヨークの舞台は屋上、路地、暗い屋内へと積み上がり、印刷物譲りの高い彩度が保たれる。
音は音源を、噛みつくような合成弦の都市型ロックへ押し出す。繰り返されるリフ、素直な打楽器が路上の戦いの拍を保つ。主題は区画ごとにはっきり切り替わり、共生体との対決では和声が濁った方へ大きく傾いてゆく。
スパイダーマンとヴェノムが手を組み、カーネイジの狂気に呑まれた街を一掃する。放つウェブ、繰り出すアッパー、すべてがアメコミの熱気を宿す。途切れぬ殴打の連続、張り詰めたテンポ、画面を一掃する必殺技が快感を生む。描き込まれたコマを進む高揚のために何度も戻りたくなり、アーケード・ブロウラーの香りは少しも色あせない。