Nier Gestaltのレビュー
岡部啓一の傑作たる音楽は、オーケストラ、ピアノ、そしてエミ・エヴァンスが架空の言語で歌う胸を引き裂く歌声を、胸を打つ美しさのなかに織り交ぜる。胸に迫る憂いをたたえたどの主題も、稀有な情感で物語の悲劇に寄り添う。いまやカルトとなったこの歌声と交響の豊かさは、いまもこの忘れがたい作品の魂であり続ける。
不治の病に蝕まれる大切な者を救うため、献身的な守り手が、ポストアポカリプスの世界で影たちと戦う。ヨコオタロウの手による物語は、複数の結末を重ねるなかで、善と悪をめぐる胸を打つ真実を明かしていく。アクションRPGに偽装したこの悲劇は、その憂いと人間味で人の心に取り憑く。