OutRunのレビュー
本作は原典の着想を手放さない。発進の前に、車の受信機を合わせるように曲を選ばせるのだ。そして、はるかに強力な筐体のために書かれた主題を、この機種の音源へ移し替える。切り詰めは明らかだが書法は生き延びる。これらの曲が音色の豊かさではなく、低音の線と簡素な旋律に立脚しているからだ。
陽光の道に赤いオープンカーを走らせ、分岐のたびに進路を選び、いまや伝説となった音楽を味わう——ここでのレースは、動く絵葉書のような趣を帯びる。倒すべき敵はおらず、ただ駆け抜け、タイムを縮める喜びだけがある。優雅で滑らか、痛快。魅力の褪せないアーケードの金字塔だ。