Paper Mario: The Thousand-Year Doorのレビュー
切り絵でできた一つの世界。ステッカーのように平たいキャラ、折った段ボールの舞台、堂々たるだまし絵が、どの部屋もジオラマに変える。素朴ながら尽きないこの視覚的発想は瑞々しさを保ち、リメイクの磨き上げでさらに際立つ。
リメイク版は平野義人と辻横由佳のジャズ的で演劇的な書法をそのまま残し、各章がそれぞれの色を帯びる。お化け列車のきしむタンゴ、ひそやかなスウィング、月夜のワルツ。再録されたアレンジは原曲のいたずら心を裏切ることなく温もりを増した。この旋律のお茶目さは作品のユーモアと不可分で、プレイヤーが寄せる根強い愛着の理由でもある。
冒険は一本道と同じだけ寄り道に支えられている。料理のレシピ、探し出すスターバッジ、ミニゲーム、紙の秘密が各章に散りばめられる。リメイクは持ち前の大盤振る舞いを損なわず、探索をより分かりやすくした。どの舞台裏にも驚きが隠れた紙の劇場の魅力こそ、マリオRPGファンの末永い愛着を集める理由だ。