Paranormasight: The Seven Mysteries of Honjoのレビュー
スクウェアエニックスは、この怪談を七十年代末の東京、本所の界隈に据える。作品はほとんど動かぬ画面小説の体裁をとり、写真のような現実感の夜の背景、路地、社、墨田の川べりが、青白い光に浸る。近くに寄って描かれた人物が、その不穏な背景に浮かび上がり、呪いの図像は版画と都市の伝承から汲み上げる。
音楽は、正面からの恐怖よりも、忍び寄る緊張に賭ける。冷たい合成音の層、低いうなり、点滴のように落とされるピアノの音型が、絶え間ない不安を築き、わずかな物音さえ脅威となる沈黙で区切られる。呪いが噴き出すと、音楽は甲高い不協和音に跳ね上がり、やがてまた待機へと沈む。
昭和の闇に沈む東京。ある呪いが、ありふれた通行人たちを、禁断の儀式のためなら手段を選ばぬ狩人へと変えていく。複数の物語が交錯し、それぞれの視点が眩暈を誘う怪異の陰謀の断片を照らし出す。怪談の手触りのなか、超自然と人の思惑の双方から恐怖が立ち上る一作だ。