Resident Evilのレビュー
洋館の恐ろしさは固定された画角に負うところが大きい。どの場面も写真のように構図が決められ、あおりや天井角からの視点が、近づいてくるものを意図的に隠す。事前に描かれた背景は黒ずんだ板張り、色あせた壁掛け、濡れて光る床を積み重ね、狭い廊下は扉の一枚一枚を待ち伏せの予感に変える。
くぐもり、息詰まる音楽が、不協和の音層と重い沈黙でスペンサー邸を覆い、片時も途切れぬ不安を醸し出す。旋律とは程遠く、質感と潜在する脅威に賭けて、ひとつひとつの怖気を際立たせる。きわめて効果的なこの病的な音の空気感は、いまも作品の恐怖と切り離せない。
特殊部隊が孤立した館へ逃げ込み、書類を一枚ずつ拾ううちに、そこに巣食う恐怖が意図して作られたものだと知る。物語は台詞よりも研究記録と遺された日誌によって進み、終盤で明かされる裏切りがそれまでの出来事すべての意味を書き換える。二人の主人公、同じ事件の二つの見え方だ。