Romancing Sa-Ga 3のレビュー
三部作の頂点たる伊藤賢治の楽曲は、過剰なまでの戦闘曲から最も胸を打つ旋律まで、目を見張る広がりと強度に達する。音楽は、絶え間ない豊かさで、物語の自由を抱きとめる。この音の手腕が、サガシリーズの16ビット時代を見事に締めくくる。
選んだ主人公次第で冒険はかたちを変え、周期的な呪いを軸に、いくつもの物語が交差していく。自由な構造を持つこの物語は、無数の可能性のなかから、プレイヤー自身の叙事詩を編ませる。長く日本にとどまっていたこの大胆な語りの自由が、本作を孤高のカルトRPGにした。
好きな主人公を選び、絡み合うクエストを辿り、戦闘の最中に技がひらめく——戸惑うほどに自由で、それでいて痛快なRPGが立ち上がる。シナリオごとに世界が再び開かれ、別の道を歩んでみたい欲求が呼び起こされる。不透明なシステムに惑わされはするが、この自由度と再プレイ性が粘り強く手を離さない。
シリーズの頂点たる本作は、アビスに侵された世界で八つの運命を織り交ぜ、選ぶ主人公ごとに出会いも仲間も秘密も組み替わる。深いキャラ育成、豊富なサブクエスト、発見に満ちた隅々が、すべてを把握しようと何度もの周回を誘う。この非線形の懐の深さと確かな再プレイ性ゆえ、今も十六ビット屈指の濃密なRPGに数えられる。