Rule of Roseのレビュー
1930年代の孤児院のこもった空気、セピアの色合い、抑えた光──恐怖は、翳りある美しさをまとった哀愁から生まれる。背景の絵画的な丹念さと子どもの残酷さが、繊細で唯一無二の悪夢を織りなす。洗練され、見る者を揺さぶるこの視覚演出は、いまも他に類を見ない一作であり続ける。
胸を打ち繊細な峰岸豊の楽曲は、物憂げな弦、ピアノ、胸を引き裂く歌声を織り交ぜ、物語の抑えた残酷さに寄り添う。胸に迫る「A Love Suicide」が、冒険の哀しみのすべてを結晶させる。稀有で生命を宿したこの音の美しさは、いまも作品の奇妙な情感と切り離せない。
子どもたちの残酷な序列が支配する孤児院に囚われた少女が、淀んで、そして痛ましい記憶を掘り起こしていく。残酷さ、恥、そして記憶をめぐる象徴的なホラーとして、人を不安にさせると同時に惹きつける。長く発禁とされ誤解されてきたこの毒を孕んだ物語は、稀有で得がたいカルトの一作となった。