Rune Factory - Frontierのレビュー
アートデザイン
音楽
シナリオ
この谷は年に四度塗り直される。ネバーランドが変えるのは葉の色だけではない。光、草の丈、雪を被った屋根の色まで変わるので、同じ小道が季節ごとに別の顔になる。生き物たちは厩に置いておきたくなるほど丸く描かれ、魔物と家畜の境目をすっかり曖昧にしてしまう。
農場の仕事は三拍子で進む。屋敷まわりの曲の多くは円舞曲として書かれ、種まきや水やりに労役の拍ではなく踊りの揺れを与える。町では店ごとに小さな性格描写の一曲があり、こちらは手風琴、あちらは撥弦鍵盤。やがて扉を見る前に、旋律だけで店主が分かるようになる。
物語は大きな見せ場を拒む。一人の若者が町へやって来るのは、一人の娘が何も告げずにそこを去ったからだ。調べは二度の収穫のあいだに、繰り返す会話と小さな手助けを重ねて進む。村の上には、ゆっくり降りてくる浮島だけが目に見える脅威として浮かび、劇は事件の速度ではなく季節の速度で結ばれていく。
朝は畑を耕し、午後はダンジョンへ潜り、村で絆を育む――そんな日課が、毎日の収穫と戦闘、小さな目標を繋いでいく。農場や手なずけたモンスター、人間関係を育てていく過程が、絶えず「もう一日」への欲求を呼び覚ます。テンポやルーンポイントの管理は重荷になるが、この農場と冒険の融合は穏やかで粘り強い吸引力を保っている。
畑を耕し、季節ごとに種をまき収穫し、家畜を育て、武具を鍛えながらリアルタイム戦闘でダンジョンを探索する。住人との交流や結婚、幽霊島を巡る謎の物語まで絡み合い、やるべきことが尽きない。何十時間も染み入るように遊べる農場RPGとして今も愛される。