Sayonara Wild Heartsのレビュー
動くポップのミュージックビデオ。飽和したネオン、電撃的なピンクと紫のパレット、音楽の拍子に振り付けられた場面転換。どの場面もサビのように流れる夢幻のシンセウェイブ調が、ゲームを陶酔的に滑らかな視覚と音の旅へと変える。
ダニエル・オルセンとジョナサン・エングが手がけたシンセポップのアルバムは、まさにゲームの原動力だ。各ステージが一曲となり、あらゆる操作がリズムに噛み合う様はインタラクティブなMVのよう。煌めくポップな旋律、幻想的な歌声、ダンスのビートが夢のような疾走を支える。何度もループしたくなる、体験と不可分の一枚だ。
バイクを駆り、剣を交え、抗いがたいエレクトロポップに乗って舞う。すべては二十三の場面を一息に繋ぐ演出の途切れない流れに懸かっている。手応えはあえて穏やかで、挑戦というより感覚の旅。歯ごたえを求める人には物足りないかもしれない。それでも動きの優美さと映像の輝きは今も心を射抜く。まるごと色あせない、一時間の純然たる高揚だ。
すべてがネオンの奔流の中を疾走し、音楽があらゆる旋回もジャンプも一撃も導く。勢いを断つゲームオーバーはなく、催眠的なポップな場面が次々と続き、純粋な高揚感のために何度も挑む。短く激しく、最後の一音まで手放せない。