Silent Hill 4 - The Roomのレビュー
部屋は一人称で見て回るが、ほとんど変化しない。だからやがて、そこにある物の一つ一つを覚えてしまう。変質が目につくのはまさにそこだ。広がっていく染み、滲み出す壁、以前はなかった扉。三人称で描かれる外の世界のほうが、比べればむしろ平凡に見えてくる。
なお山岡晃に支えられた音楽は、インダストリアルなドローンと重い静寂が戦慄を募らせる、閉所恐怖的な不安を醸し出す。最初から最後まで息詰まる音の空間が、ささやかな部屋さえ精神の罠に変える。シリーズに忠実なこの不快感の手綱さばきが、冒険のひとつひとつの怖気を際立たせる。
ヘンリーは説明もないまま自室に閉じ込められ、扉から出ることができない。使えるのは浴室の壁に開いた穴だけだ。物語はこの状況を正当化しようとしない。ただそう置いて先へ進む。だから恐怖は、あとで出会う異形よりも、原因が示されないという事実そのものから生まれる。