Suikodenのレビュー
シリーズを日本の外へ広めたこの版には、一枚ずつ描き起こされた百八の肖像が並ぶ。ひと目で分かる帝国の軍装、風雨に晒された瓦屋根の町並み。軍勢の合戦は作戦図のような固定画面で進み、本拠地には家具や店、そして顔が目に見えて増えていく。
東野美紀はタイトル画面から主題を鳴らし、酒場の調べ、進軍の行進曲、そして言葉の駆け引きの緊張に合わせた極端に短い一騎打ちの曲を並べる。民族的な打楽器、撥弦楽器、控えめな金管が編み合わされ、城は拡張されるたびに自らの変奏を手に入れていく。
父の帝国を裏切り反乱に身を投じることを余儀なくされた若き主人公が、百八の運命を集め、驚くべき成熟をたたえた政治の絵巻を織り上げる。戦争、忠誠、そして断腸の選択が、ここでは確かな重みを持つ。本機では稀なこの叙事詩的野心が、カルトなサーガの礎を築いた。
世界各地に散らばった百八人の英雄を一人ずつ集め、自らの拠点を築き、仲間が増えるごとに賑わっていく――そんな歩みの中で、出会いの一つひとつが新たな仲間集めへと駆り立てる。テンポのよい戦闘と戦記の物語が前進を報いる。やや短く、少々ぎこちなさもあるが、この生きたコレクションと膨らみゆく軍勢は、最後まで引き込む。
百八星を集めることは、冒険を広大な人材探しへと変える。仲間の一人ひとりが、育てていく拠点と戦いの陣容を厚くしていくのだ。ただでさえたっぷりの本筋に、数えきれない任意の出会いが重なる。『幻想水滸伝』ならではのこの膨大な収集が、JRPG好きが味わう長寿命を支えている。